最近、父の背中が小さく見えます。
いえ、実際この半年ほどで本当に小さくなりました。
いつでも頼る存在だった父、今は私に頼って欲しい・・・。
父の家はすぐ近く。
散歩がてらにフラッと寄って、チャイムを鳴らし、
「ジィジー」
っと呼びます。
チャイムを鳴らしてもすぐに来ることはありません。
悪質な訪問者と思わせたり、突然家に入って驚かせてもいけないと思い、チャイムを鳴らして、私(娘)だよと声で知らせます。
その日は母もいました。
まずは母が玄関へ出迎えてくれます。
母に、
「ジィジはどんな?」
と、聞いてみると、
「今はしんどくて横になってる」
と。
覗いてみるとリビングのソファで横になっていました。
父は何年も前から肺を患っています。ここ半年くらいで急に症状が悪化してきました。
私が来ても話す元気もなさそうで、今日はゆっくり過ごすのだろう。そう思いながら
「私、今日休みだからなんかやることあったらするよ」
と言ってみると、
「そうか、今日は障子の張替えをしようと思っている」
え??
その体で???(°0°)!!
障子の張替えってそんなに簡単なこと?
さっきまで横になっていたのに、そそくさと和室へ移動して障子の張替えをしようとします。
肺を患っているので、常に呼吸がハァハァといっています。酸素の吸入器を付けての生活です。
それでも障子の張替えをする意欲があることに私はビックリ。
父は几帳面で神経質な人です。家が綺麗な状態でないと嫌な人。
私もまだ実家にいた頃は、父が仕事から帰ってリビングが散らかっていたら機嫌が悪くなり、私にも自分のものは2階へ持って上がれとよく怒られていました。
さて、障子の張替えは全部で4枚。
まずは障子扉を外すことからです。
障子はそんなに重いものではありませんが、父にとっては重労働。
私も一緒になって枠にはまっている障子を外します。
古い家なので立て付けも悪く、なかなか思うように障子を外せませんでした。
障子を外すと次は、障子紙を剥がします。
その工程を行う為に長机を2台出します。
それは私と母で出しました。
その机の上に障子を起き、水に濡らした刷毛でのりの付いてた部分に沿って濡らして行きます。
数分置くと障子紙が剥がれてきます。
でも、なかなか綺麗には剥がれません。
それを綺麗に慎重に剥がし終わったら、障子枠を雑巾で綺麗に拭き取ります。
これだけでもなかなかの工程でした。
これを父と私で一緒に作業をして、午前の内に終わらせました。
さて、張替え。
これは翌日にするのかと思いきや、昼食をとるとまた作業に戻ろうとします。
(°0°)!!まだやるんかーーーい!!
私はもう忙しいだろうから帰っていいと、母と2人でやろうとします。
息がハァハァ言う父でも母に対しては皮肉を言う口は健全で、母も、「怒られながらボチボチやるから帰りなさい」
と、いいます。が、こんな大変な作業を2人だけでやれせて帰ることはできません。
私もお昼からも張替え作業に参加しました。
張替え作業は障子紙を剥がす作業よりも沢山工程があってもっと大変でした。
やっている内に、中学生の頃も障子の張替え作業を手伝わされていたことを思い出しました。その頃はいやいややらされていたなぁと。でも、今回は、こういう風にやると上手くいくとか、発見があって楽しかったです。
終わってみて、この作業を2人でやろうと思っていたなんて・・・(´・ω・`)
思ったよりも作業はスムーズに終わり、早く仕上げることができました。
すると、父が
「お前は工業系に進んだらよかったの」
と。障子の張替え作業のどこを見てそう思ったのかは謎ですが、私も本当は工業系に進みたかったのです。
そして、父から
「今日はありがとう。助かったよ」
と言われました。
よく考えたら、私は父からありがとうなんて言われるようなことしてきてなかったなぁ・・・。
言われたとしてもプレゼントを上げたときくらい。
父からの「ありがとう」の言葉がなんとも複雑な気持ちにさせられました。
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